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電磁波過敏症 (elec.magnet.hy-sitiv.)

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電磁波過敏症 - Wikipedia
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電磁波過敏症


電磁波過敏症(electromagnetic hypersensitivity [EHS])又は電磁場に起因する特発性環境不耐症(idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields [IEI-EMF])とは、「ある程度の電磁波(電磁場)に曝露すると、身体に様々な不調が現れる」とする疾病概念。

電磁場に曝される事に因って、引き起こされると称されている症状を記述する用語である。

「特発性(idiopathic)」とは原因不明である事を意味する。

現状、明確に疾病概念は定まっていない。


概要[編集]

電磁場を発生させる高圧線

アメリカ合衆国の医学者であるウィリアム・レイ(William J Rea)によって「Electrical Hypersensitivity(電気過敏症)」と命名された。

電磁波および電磁場の健康への悪影響については否定的な見方があるが、現在でも様々な疫学的研究が行われている。

現在までに行われてきた誘発試験の結果の多くが示すところによれば、自称電磁波過敏症患者は本物の電磁場にさらされることと偽物の電磁場に曝される事とを区別する事が出来無い。

そのため、医学又は科学コミュニティーは電磁波過敏症の事を病状とは認めていない。

2005年の系統だった調査結果は、電磁波過敏症が電磁場によって引き起こされる事を示す科学的で説得力のある証拠を何ら示さなかった。

それ以来、二重盲検法による実験の結果が幾つか公表されて来た。

それらの実験結果のどれもが示したところによると、自称電磁波過敏症患者は電磁場の存在を検出する事が出来無いのであり、本物の電磁場に曝された後と偽物の電磁場に曝された後のどちらに於いても同様に体調不良を訴えるのである。

世界保健機関(WHO)は「電磁波過敏症」とされるものについてとりまとめた研究報告(ファクトシートNo.296、日本語訳)に於いて、様々な症状の存在は真実とした上で、「医学的診断基準は無く、その症状が電磁界曝露と関連する様な科学的根拠は無い」としている。

また、このファクトシートによれば、二重盲検により実施された研究から、症状が電磁界曝露と相関しないことが示された。

これらの症状が、以前から存在する精神医学的症状、健康影響を恐れるストレス反応によるかもしれないことを示唆するデータもある。

電磁波には、波長の短い順にガンマ線、エックス線(この2つは放射線)、紫外線、可視光線、赤外線、電波がある。

電波には波長の短いマイクロ波から、長い極超長波まであり、さらに細かく分類される。

詳細は「電波の周波数による分類」を参照


「電磁波過敏症」を主張する人々は主として、送電線や家電製品から発せられる電源周波数(50/60Hz)と携帯電話や基地局塔(形式としてはアンテナのついた電柱同等)からのマイクロ波を症状の原因とみなしている。

一方、同じ電波においても、携帯電話(マイクロ波)と送電線(極超長波)との電磁波の間の波長や周波数の比は、7桁ものオーダーに達する。

このため、性質も異なり、両者を同列に議論する事は出来無い。

両者の中間の周波数のものには、電磁調理器やRFIDがある。

マイクロ波には電子レンジの能力に見られる様に加熱作用があるが、電磁波過敏症と称される症状で議論になるのは、加熱によって生じる副次的な熱的効果ではなく、それ以外の非熱効果、即ち電磁波そのものが健康に影響を与えるか否かという点である。

なお、放送局を始めとする各種無線局の周辺在住者、送信所で保守業務に従事する者達がこのような主張をした事はなく、単なる体感不安だけで携帯電話の基地アンテナのみを目の仇にしている傾向が、基地局反対運動には見受けられる。


症状[編集]

電磁波過敏症と称される症状は個人によって異なる。世界保健機関の研究報告書(前述ファクトシートNo.296)は「電磁波過敏症は、人によって異なる様々な非特定症状を持つのが特徴である」とした上で、いくつかの症状を挙げている。

原因が何であれ電磁波過敏症の症状は現実に生じており、患者にとって日常生活に支障をきたすほどの問題となることがある。

以下の症状が報告されている。


皮膚の症状[編集]

チクチクした感覚

灼熱感

皮疹

発赤

ヒリヒリとした痛み


その他[編集]

頭痛

疲労

精神的ストレス

睡眠障害

筋肉痛

集中力の低下

めまい

吐き気

動悸

消化器の障害

その他多くの健康問題


「防護」の現実性[編集]

この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2011年9月)


電磁波の放射源を点とした場合、その強度が距離の二乗に反比例し減衰する。

例えば、基地局から人体へ受ける電磁波は、人体から数cmの距離で利用する携帯電話に比べて遥かに弱い。

マイクロ波等の波長の短い電磁波を遮断するには、導電性の金網などの遮蔽物ですっかり覆われた内部空間に人間が入る必要がある。

電磁波の防護を謳って販売されているエプロンなどの商品があるが、電場は遮断するが、低周波磁場は防護することができない点を理解して利用しなければならない。

電源周波数領域の電磁場の場合、電線までの距離や電圧の他に、その配置が電磁場の強度を決めている。

例えば家電製品の電源コードは、往復の2本の導線が非常に狭い間隔で平行に通るため、その間隔よりも遠い距離では、互いの電磁場を打ち消しあう効果が強くなる。


電磁波過敏症を病気と認定している国[編集]

以下の国が電磁波過敏症を病気と認定している。

スウェーデン

スペイン


脚注[編集]

^ ダラスにある「環境保健センター」の設立者で院長。本人は心臓外科医であるが、化学物質過敏症を発症したのを契機に環境医学へと転じた(参考文献『電磁波過敏症』)。

^ Repacholi MH, Greenebaum B. Interaction of static and extremely low frequency electric and magnetic fields with living systems: health effects and research needs. Bioelectromagnetics. 1999;20:133-60.

^ Preece AW, Hand JW, Clarke RN, Stewart A. Power frequency electromagnetic fields and health. Where's the evidence? Phys Med Biol. 2000;45:R139-54.

^ Challis LJ. Mechanisms for interaction between RF fields and biological tissue. Bioelectromagnetics. 2005;Suppl 7:S98-S106.

^ Valberg PA, van Deventer TE, Repacholi MH. Workgroup report: base stations and wireless networks-radiofrequency (RF) exposures and health consequences. Environ Health Perspect. 2007;115:416-24.

^ Rubin GJ, Das Munshi J, Wessely S. Electromagnetic hypersensitivity: a systematic review of provocation studies. Psychosom Med. 2005;67:224-32

^ Seitz H, Stinner D, Eikmann T, Herr C, R sli M. Electromagnetic hypersensitivity (EHS) and subjective health complaints associated with electromagnetic fields of mobile phone communication--a literature review published between 2000 and 2004. Sci Total Environ. 2005;349:45-55.

^ "EHS is characterized by a variety of non-specific symptoms that differ from individual to individual,which afflicted individuals attribute to exposure to EMF."

^ “現代の新しい病気、電磁波過敏症に悩まされる女性の孤独な生活”.マイナビニュース. (2012年12月3日)


関連項目[編集]

携帯電話

テクノストレス

グロ・ハーレム・ブルントラント-ノルウェー元首相、元WHO事務局長。2003年に自らが電磁波過敏症であると主張。

市民運動

非電離放射線


参考文献[編集]

大久保貞利 『電磁波過敏症』緑風出版、2005年。ISBN 4-8461-0521-0。

加藤やすこ 『電磁波過敏症を治すには』 緑風出版、2012年。ISBN 9784846111151。

電気学会『電気の暮らしと健康不安』オーム社、2001年。ISBN 4-88686-227-6。

三浦正悦 『電磁界の健康影響: 工学的・科学的アプローチの必要性』 東京電機大学出版局、2004年。ISBN 9784501324001。

坂部 貢, 宮田 幹夫, 羽根 邦夫 『生体と電磁波』丸善出版、2012年。ISBN 9784621065327。


外部リンク[編集]

電磁界と健康-国立保健医療科学院

「電磁波過敏症」、「電磁波過敏症の症状」、「電磁波障害」 -コトバンク

電磁波過敏症-Weblio英和・和英辞典

EMF-世界保健機関(英語)

Powerwatch- イギリスの市民団体(英語)


精神と行動の疾患(ICD-F-290-319)

器質的


認知症

Mild cognitive impairment-アルツハイマー型認知症-Multi-infarct dementia-Pick's disease-クロイツフェルト・ヤコブ病-ハンチントン病-パーキンソン病-AIDS dementia complex-Frontotemporal dementia-Sundowning-Wandering


その他

せん妄-Post-concussion syndrome-Organic brain syndrome


向精神薬・薬物乱用・薬物に関する障害

薬物中毒/オーバードース-身体依存-薬物依存症-リバウンド効果-二重リバウンド-離脱


統合失調症-妄想

精神病

統合失調感情障害-統合失調症様障害-短期反応性精神病


統合失調症

破瓜型統合失調症-Delusional disorder-Folie a deux


気分障害(affective)

躁病-双極性障害(I型-II型-気分循環症) -うつ病(大うつ病-気分変調症-季節性情動障害-非定型うつ病-メランコリー型うつ)


神経症-ストレス関連 -身体表現性障害

不安障害

恐怖症

広場恐怖症-社会恐怖/社交不安障害(Anthropophobia) -単一恐怖(閉所恐怖症) -単一社会恐怖


その他

パニック障害-全般性不安障害-強迫性障害-ストレス(急性ストレス障害-PTSD)


適応障害

うつ症状を伴う適応障害


身体表現性障害

身体化障害-身体醜形障害-心気症-疾病恐怖-Da Costa's syndrome-精神痛-転換性障害(ガンザー症候群-咽喉頭異常感症) -神経衰弱-Mass Psychogenic Illness


解離性障害

解離性同一性障害-解離性健忘-Fugue state-離人症性障害


生理的・身体的

摂食障害

神経性無食欲症-神経性大食症-Rumination syndrome-NOS


非器質性

睡眠障害

過眠症-不眠症-睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害-夜驚症-悪夢)


性的機能不全

sexual desire- (Hypoactive sexual desire disorder-Hypersexuality) -sexual arousal- (Female sexual arousal disorder) -Erectile dysfunction-orgasm- (Anorgasmia-Delayed ejaculation-Premature ejaculation-Sexual anhedonia) -pain- (Vaginismus-Dyspareunia)


産後

産後うつ病-Postnatal psychosis


成人のパーソナリティ及び行動

Sexualand
gender identity

Sexual maturation disorder-Ego-dystonic sexual orientation-Sexual relationship disorder-性的倒錯(性依存症-窃視症-フェティシズム)


Other

パーソナリティ障害-衝動制御障害(窃盗症-抜毛症-放火癖) -Body-focused repetitive behavior-虚偽性障害(ミュンヒハウゼン症候群)


小児の精神障害

精神遅滞

X-Linked mental retardation- (Lujan-Fryns syndrome)


Psychological development
(発達障害)

Specific-広汎性発達障害


Emotional and behavioral

ADHD-行為障害(ODD) -情動障害(Separation anxiety disorder) -社会的機能(場面緘黙症-愛着障害-DAD) -チック症(トゥレット障害) -言語障害(吃音症-Cluttering) -Movement disorder(Stereotypic)


未分類

性同一性障害(性転換症-性別違和症候群) -想像妊娠-Catatonia-Intermittent explosive disorder-Psychomotor agitation-Stereotypy-Psychogenic non-epileptic seizures-Kluver-Bucy syndrome

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