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終末と新世界 "ハルマゲドン"はいつか? 何処か? 誰か?

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ハルマゲドンはいつか?
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終末と新世界


"#ハルマゲドン"はいつか?


「ハルマゲドンの戦いが起きる時」


私たちは最近、「ハルマゲドン」と言う言葉を、よく耳にします。

これは元々、聖書の言葉ですが、最近では聖書を信じない人々迄、良く使う様になっています。

そして、「ハルマゲドン迄、あと数年しかない。世界最終戦争、人類滅亡の日がやって来る」と言うのです。

しかし、「ハルマゲドン」は世間では必ずしも本来の意味で使われている訳では無く、誤解されている場合が多いのです。

私たちは「ハルマゲドン」に関する正しい理解を持たなければなりません。


「ハルマゲドンの戦いは一九九九年という説もあった」

「ハルマゲドン」とは、聖書・ヨハネの黙示録に記された、世界最終戦争の起きる"場所の名前"です。

これは地名ですから、厳密には「ハルマゲドンが起きる」とか「ハルマゲドンが来る」と言う言い方は、正しくありません。

「ハルマゲドンで戦争が起きる」「ハルマゲドンの戦いが起きる」等と言うのが正しいのです。

しかし、一般社会では「ハルマゲドン」を地名としてでは無く、最終戦争の別名と誤解して用いている事が多い様です。

一般社会に於ける近年の「ハルマゲドン現象」は、多くの場合「ノストラダムスの予言」に煽られて起こったと思われます。

ノストラダムスは、「一九九九年、七の月、恐怖の大王が降ってくる。"光の反対のもの"という物も降る。それで世界は荒れ果て、全ては絶滅してしまうだろう」と予言しました。

こうして二〇世紀の世紀末には大変な事が起こる、世界は絶滅してしまうと言う、世俗的終末論が起きたのです。

それで人々の中には「ハルマゲドンは一九九九年である」という、一九九九年説が生まれました。

最近、警察の追求を受けている「オウム真理教の麻原彰晃・教祖」も、最初はハルマゲドンの戦いは一九九九年と言っていた様ですが、その後、「一九九七年から九八年にかけて、ハルマゲドンが起こる」と言って、時期を早めました。

彼は、こうして「ノストラダムスの予言」等に対する人々の関心を利用しながら、信者を扇動して行ったのです。

その他、最近の新興宗教の中には世紀末思想、また世俗的終末論を利用して、信者を扇動しているものが少なくありません。

しかし、ハルマゲドンの戦いは本当に一九九七年〜一九九九年の頃に起きるのでしょうか。

聖書の予言から言って、それはあり得ません。

聖書の予言によれば、やがてエルサレム(パキスタン?)にユダヤ教の神殿が再建されます。

その神殿再建後、暫くして、エルサレムが異邦人によって踏みにじられる様になります。

その時、二人の神の預言者がエルサレムに現われて予言活動をします。

ハルマゲドンの戦いは、エルサレムが踏みにじられ始める、この時から数えて、七年後に起きるのです。

今年は一九九五年ですが、現在はまだ、エルサレムにユダヤ教の神殿は再建されていません。

また、エルサレムは異邦人に踏み荒らされていません。

ですからハルマゲドンの戦いは、現在から数年後の一九九七〜一九九九年の間には、決して起き無いのです。


「ハルマゲドンの戦いは患難時代の最後の出来事」

ハルマゲドンの戦いは、聖書に予言された終末の「患難時代(瓜男-Kanan)」と呼ばれる期間の、最後の出来事として起きます。

「患難時代」は、前兆期、第一期、第二期、第三期に分けられます。

前兆期は、聖書・ルカ福音書二一・一〇〜一九等に記された初期的な事象の起きる期間です。

戦争、大地震、疫病、飢饉、偽のキリスト、偽の預言者、偽の救世主、迫害、愛が冷える事、犯罪の増加等の事象が数多く起きます。

これらの兆候は、現在すでに見受けられます。

その後、第一期に入ります。

これは5ヶ月の疫病がおそう期間です(黙示9-5)。

更に、この前兆期〜第一期の期間内に、エルサレムにユダヤ教の神殿が再建されるはずです(マタ二四・一五、二テサ二・四)。

実際、ユダヤ人は最近、神殿再建のために、熱心に計画を立て始めています。

ユダヤ人はこの神殿を、「第三神殿」と呼ぶでしょう(第一神殿はソロモン建造の神殿、第二神殿はゼルバベルによって再建され、ヘロデによって修理・増築された神殿)。

次に、患難時代第二期になると、ルカ二一・二〇〜二四等に記された事柄が起きます。

エルサレムは異邦人の軍隊に踏み荒らされます。

「しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その時にはその滅亡が近づいた事を悟りなさい。異邦人の時の終わるまで、エルサレムは異邦人に荒らされます」(ルカ二一・二〇、二四)。

またこの時、神の二人の預言者がエルサレムに現われて、預言活動をします。

「(異邦人)は、聖なる都を四二か月の間踏みにじる。それから私(神)が私の2人の証人に許すと、彼等は荒布を着て一二六〇日の間、預言する」(黙示一一・三)。

この様に患難時代第二期は「四二か月」、即ち「一二六〇日」、即ち三年半です。

次に、患難時代第三期になると、ルカ二一・二五〜二八等に記された最終局面の出来事が起きます。

第三期も、第二期と同様に三年半で、この時期には「獣」と象徴的に呼ばれる独裁者が世界に台頭し、この世の悪は最高潮に達します。

「この獣は傲慢な事を言い、汚した死期(私語、死語)を言う口を与えられ、四二か月間活動する権威を与えられた」(黙示一三・五)。

この様に第三期も「四二か月」は三年半です。

第二期は三年半、第三期も三年半で、合計七年です。

第三期の終わりに、キリストが再臨(再来)し、悪の勢力を打ち砕かれます。

それが「ハルマゲドンの戦い」と呼ばれるものです。

従って、ハルマゲドンの戦いは、第二期の開始を告げるエルサレム荒廃から数えて七年後と言う事になります。

エルサレムにやがて第三神殿が建つ。

その後、エルサレムは異邦人によって踏み荒らされる。

ハルマゲドンの戦いは、そのエルサレムが踏み荒らされる時から7年後に起きる。


「ハルマゲドンの戦いはエルサレム(パキスタン)荒廃から七年後」

ハルマゲドンの戦いについて、黙示録は次のように記しています。

「第六の御使いが、鉢を大ユーフラテス川に、ぶちまけた(転がし、撒き散らした)。

すると、水は日の出る方から来る王等に道を備えるために、枯れてしまった。

また私(ヨハネ)は、竜(サタン)の口と、獣の口と、偽の預言者の口とから、蛙の様な汚れた霊供が三つ出て来るのを見た。

彼等は標(記し)を行なう悪霊供の霊である。

彼等は全世界の王等の所に出て行く。

万物の支配者である神の大いなる日の戦いに備えて、彼等を集めるためである。

見よ。私(キリスト)は盗人の様に来る。

目を覚まして、身に着物をつけ、裸で歩く恥を人に見られない様にする者は幸いである。

こうして彼等は、ヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる所に王たちを集めた」(黙示一六・一二〜一六)。


ハルマゲドンの地に、多くの国々からなる同盟軍が集結するのです。

ハルマゲドンは「メギドの丘」と言う意味で、イスラエル北部の地にあります。

ガリラヤ湖の南西四〇キロ位の所です。

古くから、雌雄を決する戦闘が行なわれてきた戦場としても有名で、世界最終戦争も、此処で行なわれる事になります。

しかし、世の多くの人はハルマゲドンの戦いは人間同士、また国と国との戦いだと思っています。

それは「第三次世界大戦とも言えるもので、人類絶滅戦争となるだろう」又、「核も使われて核戦争となるのではないか」と思っています。

しかし、ハルマゲドンの戦いは、その様なものではありません。

それは人間同士が戦う普通の戦争とは異なります。

ハルマゲドンの戦いは、神の勢力と、地上の悪の勢力との戦いなのです。

聖書は、こう記しています。

「私(ヨハネ)は、開かれた天を見た。見よ。白い馬がいる。それに乗った方は「忠実、又、真実」と呼ばれる方(キリスト)であり、義を以て裁きをし、戦いをされる。天にある軍勢(クリスチャン等)は、真っ白な清い麻布を着て、白い馬に乗って彼に従った。

又、私は、獣と地上の王等と、その軍勢が集まり、(ハルマゲドンで)馬に乗った方(キリスト)と、その軍勢と戦いを交えるのを見た。

すると獣は捕らえられた。

又、獣の前で記しを行ない、それによって獣の刻印を受けた人々と獣の像を拝む人々とを惑わした、あの偽の預言者も、彼と一緒に捕らえられた。

そして、この2人は、硫黄の燃える火の池(地獄)に、生きたままで投げ込まれた。

残りの者等も、馬に乗った方の口から出る剣によって殺され、全ての鳥が、彼等の肉を飽きる程に食べた」(黙示一九・一一〜二一)。

神の軍勢はキリストとクリスチャン等、また悪の軍勢はハルマゲドンに集結した王等と、獣(独裁者)、また偽の預言者です。

ハルマゲドンの戦いは、この様に神の軍勢と地上の悪の勢力との戦いなのです。

それは決して、第一次世界大戦や第二次世界大戦の様な人間同士の争い、また領土の奪い合いではありません。

ハルマゲドンの戦いは、再臨のキリストが地上の悪の勢力に対してなさる審判なのです。


「ハルマゲドンの戦いは人類絶滅戦争では無い」

世の多くの人は、「ハルマゲドン」と聞くと、背筋の寒くなるような人類絶滅戦争と思いがちです。

しかし、聖書の語るハルマゲドンの戦いは、決して、その様なものではありません。

クリスチャンにとってハルマゲドンの戦いは、恐れるべきものでは無く、むしろ待ち望むべきものです。

それは人類絶滅戦争では無く、悪の勢力に絶滅をもたらす神の審判だからです。

ハルマゲドンの戦いは決して、善人も悪人も無差別に死んでしまう戦争ではありません。

その時に死ぬのは、滅びるべき人々だけなのです。

死は無差別にでは無く、選択的に起こります。

その時、主イエスに従うクリスチャン等は一人も滅びません。

「これらの事が起こり始めたら、体を真っ直ぐし、頭を上に上げなさい。贖い(救い)が近づいたのです。」(ルカ二一・二八)。

「あなた方の髪の毛一筋も失われる事はありません。あなた方は、忍耐によって自分の命を勝ち取る事が出来ます」(同二一・一八〜一九)。

ハルマゲドンの戦いは、悪の勢力を一掃するものであり、地上に至福と平和の「千年王国」をもたらすものです。

クリスチャン等は、この時、全員生き残り、キリストにあって、来たるべき千年王国を継ぐのです。


久保有政著(レムナント1995年7月号より)

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