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統合失調症…schizophrenia 3

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#ккк #統合失調症 #Schizophrenie #schizophrenia


Two-hit theory[編集]

胎生期と思春期に、2回にわたる何らかの脳へのダメージを受けて発症するという仮説。


心因説[編集]

かつて、二重拘束説(Double bind theory:親から2つの互いに矛盾するメッセージ(重厚長大の倫理と軽薄短小の論理)を受け取った子供が、それをうまく処理することができず(分裂状態で統合できないでいる、心理的に解決できない)、しかしそれに応えようとして発病するという仮説)や、high EE説(Expressed Emotion:否定的なメッセージを送りやすい家庭で育つことと再発率が関係しているとする仮説)などの心因説が、統合失調症の原因として唱えられ、患者の家族が不当に苦しんだ時代があったが、その後の研究でそれらの心因説は否定され、発病後の症状悪化要因ではあっても決して原因ではない、とされる。

心理的な解決で統合されるケースである。

精神科医は臨床心理士のカウンセリングを受けさせる場合がある。

統合失調症はカウンセリングは効果がない場合が多いが、このケースは効果がある、統合失調症の中のある種のタイプである。


違法薬物仮説[編集]

麻薬や覚醒剤、脱法ドラッグの使用により一時的な快楽が得られるが、禁断症状にみられる諸症状を誘起させる。

本来、精神作用物質使用による精神および行動の障害ICD-10F1x.5グループに分類される為、統合失調症(F20)とは区別される。


栄養学仮説[編集]

人体に必須な栄養素の不足によって様々な諸症状を誘起させるとした書物もある[56]。

主に欧米各国で過去に論議を醸し出したが、現在は研究課題から外されて論議も皆無に等しい。

栄養学は医科大学の履修分野でないことから精神医学の分野でおいてはその関連性は無く度外視される。

だが、国外において臨床効果および治療実績がはっきり現われている点は見逃せない。

国内での各種栄養素の取扱は診療報酬の対象とはならず、むしろ副作用を懸念するため処方はされない、ごく一部の医療機関で実費にて分子整合精神医学と称してビタミン剤を高額で処方するところもある。


その他[編集]

ウイルス説、前頭葉機能の低下仮説など様々な仮説が唱えられている。

妊娠初期にインフルエンザに罹ると生まれてくる子供が統合失調症になる確率が3倍になるという研究[57]がある。

また、食物による脳内のアレルギー疾患(ヒスタミンの過剰)だと指摘する医者もいる、このことは絶食や食事の改良などの対症療法で解決したとの報告も各国で散在している。

さらには抗生物質の服用により少量のビタミンBを産生する体内の腸内細菌が死滅してしまい、ビタミン不足に陥って統合失調症の症状を呈するとの見解もあるが定かではない。

統合失調症患者の不眠に処方されるバルビツール酸系の睡眠導入剤の常用で、その副作用としてビタミンB6の吸収を阻害するため、精神遅滞を起こしたり皮膚炎を起こしたりするケースがみられる。

なお、現在の睡眠導入剤は、ほとんどがベンゾジアゼピン系に置き換わっており、バルビツール酸系の睡眠導入剤を常用する必要はない。


症状[編集]

認知、情動、意欲、行動、自我意識など、多彩な精神機能の障害が見られる。

大きく陽性症状と陰性症状の二つがあげられ、その他の症状に分けられる。

全ての患者が全ての症状を呈するのでないことに注意が必要である。


陽性症状[編集]

おおよそ急性期に生じるもの。


思考の障害[編集]

思考過程の障害と思考内容の障害に分けられる。総合的に診て自閉症と重複し、誤診されることもたびたび起こる。


思考過程の障害[編集]

話せない状況:思考に割り込まれると神経過敏や鬱状態になり、考えが押し潰されて、まとまらない話になってしまう。

思考が潰れることで今までやってきたことは何だったのかという自己喪失に陥る。

的外れな応答(他人の質問に対し、的外れな答えを返す):周囲の人間から、話をよく聞いていない人物と見なされることがある。


思考内容の障害(妄想)[編集]

客観的に見てありえないことを事実だと信じること。

妄想には以下のように分類される。

一人の統合失調症患者において以下の全てが見られることは稀で、1種類から数種類の妄想が見られることが多い。

また統合失調症以外の疾患に伴って妄想がみられることもある。

関連語に妄想着想(妄想を思いつくこと)、妄想気分(世界が全体的に不吉であったり悪意に満ちているなどと感じること)、妄想知覚(知覚入力を、自らの妄想に合わせた文脈で認知すること)がある。

被害妄想:「近所の住民に嫌がらせをされる」「通行人がすれ違いざまに自分に悪口を言う」「自分の体臭を他人が悪臭だと感じている」

関係妄想:周囲の出来事を全て自分に関係付けて考える。「あれは悪意の仄めかしだ」「自分がある行動をするたびに他人が攻撃をしてくる」

注察妄想:常に誰かに見張られていると感じる。「近隣住民が常に自分を見張っている」「盗聴器で盗聴されている」「思考盗聴されている」「監視カメラで監視されている」

追跡妄想:誰かに追われていると感じる。

心気妄想:重い体の病気にかかっていると思い込む。

誇大妄想:患者の実際の状態よりも、遥かに裕福だ、偉大だ等と思い込む。

宗教妄想:自分は神だ、などと思い込む。

嫉妬妄想:配偶者や恋人が不貞を行っている等と思い込む。

恋愛妄想:異性に愛されていると思い込む。仕事で接する相手(自分の元を訪れるクライアントなど)が好意を持っていると思い込む場合もある。

被毒妄想:飲食物に毒が入っていると思い込む。

血統妄想:自分は天皇の隠し子だ、などと思い込む。

家族否認妄想:自分の家族は本当の家族ではないと思い込む。

物理的被影響妄想:電磁波で攻撃されている、などと思いこむ。

妄想気分:まわりで、なにかただごとでないことが起きている感じがする、などと思いこむ。

世界没落体験:妄想気分の一つ、世界が今にも破滅するような感じがする、などと思いこむ。

また、上記の妄想に質的に似ているが、程度が軽く患者自身もその非合理性にわずかに気づいているものを「 - 念慮(被害念慮、注察念慮)」という。


知覚の障害と代表的な表出[編集]

実在しない知覚情報を体験する症状を、幻覚(hallucination) という。

幻覚には以下のものがあるが、統合失調症では幻聴が多くみられる一方、幻視は極めて希である。

また、統合失調症以外の疾患(譫妄、癲癇(てんかん)、ナルコレプシー、気分障害、認知症など)、あるいは特殊な状況(断眠、感覚遮断、薬物中毒など)におかれた健常者でも幻覚がみられることがある。

幻聴(auditory hallucination):聴覚の幻覚

幻視(visual hallucination):視覚性の幻覚

笠陽一郎医師の診断メモによるとこれは解離性障害やアルコールを含めた薬剤性のものに見られ、統合失調症には見られないとしている[58]。

幻嗅 (olfactory hallucination):嗅覚の幻覚

幻味 (gustatory hallucination):味覚の幻覚

体感幻覚 (cenesthesic hallucination):体性感覚の幻覚

幻覚を体験する本人は外部から知覚情報が入ってくるように感じるため、実際に知覚を発生する人物や発生源が存在すると考えやすい。

そのため、「悪魔が憑いた」、「狐がついた」、「神が話しかけてくる」、「宇宙人が交信してくる」、「電磁波が聴こえる」、「頭に脳波が入ってくる」などと妄想的に解釈する患者も多い。幻聴はしばしば悪言の内容を持ち、患者が「通りすがりに人に悪口を言われる」、「家の壁越しに悪口を言われる」、「周囲の人が組織的に自分を追い詰めようとしている」などと訴える例は典型的である。

また、幻味、幻嗅などは被毒妄想(他人に毒を盛られているという妄想)に結びつくことがある。

なお、体感幻覚に類似するものとして、体感症(セネストパシー)(cenestopathy)があるが、その異常感が常態ではみられない奇妙な性状のものであることをよくわきまえている点で,ほかのさまざまな体感幻覚とは趣を異にしている。

知覚過敏:音や匂いに敏感になる。光がとても眩しく感じる。知覚変容発作という抗精神病薬の副作用からくるものもある。


自我意識の障害[編集]

自己と他者を区別することの障害。

自己モニタリング機能の障害と言われている。

すなわち、自己モニタリング機能が正常に作動している人であれば、空想時などに自己の脳の中で生じる内的な発声を外部からの音声だと知覚することはないが、この機能が障害されている場合、外部からの音声だと知覚して幻聴が生じることになる。

音声に限らず、内的な思考を他者の考えと捉えると考想伝播につながり、ひいては「考えが盗聴される」などという被害関係妄想につながることになる。


考想操作(思考操作):他人の考えが入ってくると感じる。世の中には自分を容易に操作できる者がいる、心理的に操られている、と感じる。進むと、テレパシーで操られていると感じる。

考想奪取(思考奪取):自分の考えが他人に奪われていると感じる。自分の考えが何らかの力により奪われていると感じる。世の中には自らの考えがヒントになり、もっといい考えを出すものもいると感じる。進むと、脳に直接力が及び考えが奪われていると感じる。

考想伝播(思考伝播):自分の考えが他人に伝わっていると感じる。世の中には洞察力の優れたものがいると感じる。その人に対して敏感になっている。進むとテレパシーを発信していると感じる。

考想察知(思考察知):自分の考えは他人に知られていると感じる。世の中には自分の考えを言動から読めるものがいると感じる。進むと、自分は考えを知られてしまう特別な存在と感じる。自らのプライドを高く認められずに、被害的にとらえてしまう。進むと、構想が自己と他者との間でがテレパシーのように交信できるようになったと考え、波長が一致していると感じる。


意志・欲望の障害[編集]

興奮:妄想などにより有頂天になっている。また自分が神か神に近きものまたは天才と思い一種の極限状況にある場合もある。

昏迷:意識障害なしに何の言動もなく、外からの刺激や要求にさえ反応しない状態。統合失調症の場合は表情や姿態が冷たく硬い上、周囲との接触を拒絶反抗的であったり(拒絶症)、終始無言(無言症)、不自然な同じ姿勢をいつまでも続ける(常同姿態(カタレプシー))[59]。

拒食


陰性症状[編集]

幻覚・妄想など以外のエネルギーの低下からおこる症状。おおよそ消耗期に生じるもの。


感情の障害[編集]

感情鈍麻:感情が平板化し、外部に現れない。

疎通性の障害:他人との心の通じあいが無い。

カタレプシー:受動的にとらされた姿勢をとりつづける。

緘黙:まったく口をきかない。

拒絶:面会を拒否する。

自閉:自己の内界に閉じ込もる。


思考の障害[編集]

常同的思考:無意味な思考にこだわり続けている。興味の対象が少数に限定されている。

抽象的思考の困難:物事を分類したり一般化することが困難である。問題解決においてかたくなで自己中心的。


意志・欲望の障害[編集]

自発性の低下:自分ひとりでは何もしようとせず、家事や身の回りのことにも自発性がない。

意欲低下:頭ではわかっていても行動に移せず、行動に移しても長続きしない。

無関心:世の中のこと、家族や友人のことなどにも無関心でよく知らない。


その他の症状[編集]


認知機能障害[編集]

認知機能障害は統合失調症の中核をなす基礎的障害である。クレペリンやブロイラーなどの当該疾患の定義の時代(1900年頃)より、統合失調症に特異的な症状群として最も注目されていた。

認知機能とは、記憶力、注意・集中力などの基本的な知的能力から、計画、思考、判断、実行、問題解決などの複雑な知的能力をいう。

この認知機能が障害されるために社会活動全般に支障をきたし、疾患概念より障害概念に近いものとして理解されている。

この障害ゆえに、作業能力の低下、臨機応変な対処の困難、経験に基づく問題解決の困難、新しい環境に慣れにくいなど社会生活上多くの困難を伴い、長期のリハビリが必要となる。


感情の障害[編集]

不安感・焦燥感・緊張感 抑うつ・不安を伴うこともある。

自分には解決するのが非常に難しい問題がたくさんあり、抑うつ・不安になっていることもあるだろう。

抑うつは現状・将来を悲観するという場合と病名から来る自分のイメージ、他者の健常者や同じ心の病の者との比較ということもある。 躁状態 何でもできる気分・万能感、金遣いが荒くなる、睡眠時間が少ないなど。

パニック発作[編集]

統合失調症でもパニック障害類似のパニック発作が起こることがある[60][61]。治療法はパニック障害にほぼ準じる[62]。


連合弛緩[編集]

連想が弱くなり、話の内容がたびたび変化してしまう。単語には連合がある。わかりやすく言えば単語の意味での関係でのグループ(連合)がある。この連合が弛緩して全然関係のない単語を連想することである。しかし落語にあるようなダジャレは連合弛緩でない。連想が関係を未視しているのである。


両価性[編集]

判断基準が確立せず、左右の価値の違いや金銀の価値の違いなどがわからず、どちらもという状態をいう。


独言・独笑[編集]

幻聴や妄想世界での会話があるが、ただ無闇に言葉を羅列することもありそれを教科書では「言葉のサラダ」と言っている。原因には長年の投薬による認知機能低下の説もある[63]。


検査所見[編集]

血液検査[編集]

血液検査では、看護婦および看護師による患者の血液採取にはじまり、規模の小さな開業医であれば検査結果を外部委託することになる。このことは患者が薬物投与により肝機能の衰えなど(ALT:GPTなど)の副作用を検査するためである。通常であらば3か月程度の間隔で行われると同時に、電解質の異常や糖尿病の形跡、低血糖症、栄養失調の診断にも生かされ、より正確な診断がなされる。外部委託先にビタミンやミネラル類の検査項目も追加できるが、そのような依頼は極まれである[64]。


CT・MRI[編集]

CT・MRIにて、側頭葉・頭頂葉の灰白質の体積の減少を認める。白質の体積は減少していない。 脳体積の減少は長期的な話である。人と人との間でも脳体積は少なくとも10%は異なるため、一度の体積測定で判定することはできない。また、抗精神病薬が脳体積を減少させることも知られている[65][66][67][68][69][70]。

「抗精神病薬#副作用」も参照


SPECT[編集]

SPECTにて、課題遂行中や会話時に通常見られる前頭前野の血流増加が少ないという報告がある。


プレパルス抑制試験[編集]

プレパルス抑制(英語版)を参照。


遺伝子検査[編集]

遺伝子性の疾患を特定するためのツールとしてDNAシークエンシングがある。


尿検査[編集]

国内の精神科において尿検査を行うことはない。ピロール尿症におけるクリプトピロールや違法薬物の痕跡を調査することができるが、臨床試験的に尿を検査することがごく稀にある。生化学研究設備があればクリプトピロールなどの化学物質を判別できるが、そのような精神医学は国内には存在しない。


NIRS脳計測装置・光トポグラフィー[編集]

NIRS脳計測装置や光トポグラフィー検査により、問診と同時に脳内の血流量を赤外線により測定する。うつ病、統合失調症、双極性障害の判断材料になる可能性がある研究中の検査手法である。国内ではわずかだが実施している。最先進医療の分野である。 信頼性は低く、「高価なおもちゃ(原文ママ)」の域を出ていない[71][72]。


診断[編集]

ICD-10での診断基準は以下のとおり。 症状基準 項目(1)の症状のうち1つ以上、項目(2)のうち2つ以上が1か月以上続くこと。
(1)

(a) 考想反響、考想吹入、考想奪取、考想伝播

(b) 他者から支配され、影響され、服従させられているという妄想で、身体、手足の動き、思考、行為、感覚に関連していること、及び妄想知覚

(c) 患者の行動を注釈し続ける幻声

(d) 不適切でまったくありえないような持続的妄想

(2)

(a) 1か月以上の持続的幻覚

(b) 言語新作、支離滅裂、的外れ会話

(c) 緊張病性の行動

(d) 陰性症状

DSM-IV-TRでの診断基準は以下のとおり。 以下の2つ以上が各1か月以上(治療が成功した場合は短い)いつも存在する。
(1) 妄想

(2) 幻覚

(3) 解体した会話

(4) ひどく解体した行動(例:不適切な服装、頻繁に泣く)、又は、緊張病性の行動

(5) 陰性症状

統合失調症で一番目立つ症状は被害妄想と幻聴。しかし必ずしも上記の症状が現れるという訳ではない。統合失調症患者が心因反応という診断名が初診時に付いている場合がある。心因反応は心因性で統合失調症は内因性である。外因性精神病という外傷によるものもある。これらは違う病気とする学説もある。DSMについては米国がベトナム戦争において被災した軍人を診断するために基準を設けた指標でもある、現在の診断基準となっている点に議論が残る。 PANSS (Positive and Negative Symptom Scale) での評価[73]

陽性尺度

7項目 - 妄想・概念の統合障害・幻覚による行動・興奮・誇大性・猜疑心・敵意

陰性尺度

7項目 - 情動の平板化・情動的ひきこもり・疎通性の障害・受動性意欲低下による社会的ひきこもり・抽象的思考の困難・会話の自発性と流暢さの欠如・常同的思考

総合精神病理評価尺度

16項目 - 不安・罪責感・緊張・衒奇症と不自然な姿勢・抑うつ・運動減退・非協調性・不自然な思考内容・失見当識・注意の障害・判断力と病識の欠如・意志の障害・衝動性の調節障害・没入性・自主的な社会回避


誤診の可能性[編集]

精神科医にとって、統合失調症の病の性格、精神医療現場の環境(発達障害などを扱う児童精神医学は専門外の場合がある。数を上げるとその医学を専門としている『児童精神科医』は約200人ほどしかいない[74]など)から他の精神疾患や発達障害との誤診が起きる可能性があるとの意見や報道もある[75][76]。誤診されやすいものとしては強迫性障害、びっくり病(Hyperekplexia)、ナルコレプシーにおける情動脱力発作(Cataplexy) やアスペルガー症候群が挙げられている。そのうちアスペルガー症候群は統合失調症に似た症状がおきやすいと以前から指摘がある。アスペルガー症候群を再評価し紹介したイギリスの医師ローナ・ウィングの最初の論文(1981年発表)では報告された18人のうち1人に統合失調症様の症状があった[77]。抗NMDA受容体抗体脳炎も2007年に提唱された比較的新しく発見された疾患であるが、NMDA受容体機能低下による統合失調症と共通病態と考えられるため、鑑別が必要である[34]。 精神医学は数字で測れる指標は少ないが、主要な精神疾患については症状や経過の詳細が
わかれば通常の診断能力を持つ精神科医にとって、正確に診断することは難しいものではなく、診断の不一致も一般に思われているよりはるかに少ないとしている[78]。 前述におけるプレパルス抑制およびびっくり病、さらには糖尿病や低血糖症と差異をも見出さなければならない。長時間に渡る問診にもよるが、科学的な根拠(エビデンス)を基とする診断がある上で、正確な統合失調症の症状を精神科医は判断しなければならない。


問題点[編集]

統合失調症の診断はそもそも難しい。DSM-II(1968年)の前文は「最善は尽くしましたが、(アメリカ精神医学会の)委員会はこの障害について合意を得ることができませんでした。合意できたのは診断名だけです[注 7]」(ix頁)と述べている。DSM-III(1980年)は「統合失調症の概念の範囲は曖昧です[注 8]」(181頁)、DSM-III-R(1987年)は「統合失調症に限っては、単一の特徴をいつも示さなかったり、生じないことに注意すべきです[注 9]」(188頁)と述べている。[79][80][81][82] 1988年、ニューヨーク州立大学のトーマス・サズ(英語版)博士は「統合失調症はとても曖昧に定義されています。実のところ、話し手の気に入らない行動のほとんど全てにしばしば適用される用語です[注 10]」と述べている[83]。 1994年、著名な統合失調症研究者[注 11]であるナンシー・C・アンドレアセン博士は、何が統合失調症なのか分からないと認めており、「ヨーロッパの人々は、誰が本当に統合失調症を持っているのか、何が本当の統
合失調症なのか、解決策を見つけて私たちを助けることによって、アメリカの科学を救うことができます[注 12]」と述べている[85][86][87]。

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