テレビ放送[編集]
地上波全国ネット(フジテレビ『ゴールデン洋画劇場』)で初放送された際、吹替版ではなく字幕版で放映された。
しかし同じ『ゴールデン洋画劇場』で2回目は吹替版が放送され、以降テレビ東京『木曜洋画劇場』でも吹替版で放送。
出演した日本人キャストの英語台詞部分をキャスト本人が吹き替えるのが通例だが、日本人キャストで本人が吹き替えたのは大橋役の神山繁(DVD版も担当)と佐藤の子分役のガッツ石松のみで、松本役は日本語の台詞も含め高倉健本人ではなく大塚明夫が吹き替えた(DVD版は立木文彦)。
一方で吹き替え収録時、故人となっていた若山富三郎は小林勝彦(DVD版は藤本譲)が英語台詞の入る場面(ゴルフ場、菅井の自宅、ニックに散弾銃を渡すシーン)を日本語の台詞も併せて吹替え(吹替台詞も関西弁になっている)、日本語のみの部分は原音で対応した。
松田優作は製鉄所内でニックに呼びかけるシーンで英語の台詞を言っているがその箇所だけカットして対応した。
その他[編集]
当初、監督は『ロボコップ』の監督であるポール・バーホーベンだった。
主人公がうどんを啜るシーンは、音を立てない食事を旨とする欧米人にカルチャーショックを与え、話題になった。
米国内での宣伝素材に使われたタイトルの日本語表記がことごとく「ブラック・ンイレ」になっており、物議をかもした。
文学座つながりの渡辺徹が、『太陽にほえろ』で競演中、松田優作から演技指導を受けたらしい。
それは、「相手の胸ぐらを掴みながらセリフを言う時、まず相手を睨み深呼吸をいったんしろ、そうするとより怖いセリフになるんだ」というものであった、それを松田自身が実践したのが『ブラック・レイン』で佐藤がレストランに登場するシーンである(ダウンタウンDXから)。
市川海老蔵もこのシーンからインスパイヤされたお陰で、歌舞伎が成功したこともあるらしい(情熱大陸から)。
大橋警視役の神山繁によると、「セリフが毎日変わった。
毎日新しいシナリオが渡された。」とのこと(NHK『英語でしゃべらナイト』で本人談)。
漫画『松田優作物語』では、マイケル・ダグラスが、チャーリーが佐藤に殺されるシーンの撮影で「チャーリー! 逃げろ!」と叫ぶべきところを、「アンディ! 逃げろ!」とアンディ・ガルシアの本名のほうを叫んでNGを出してしまったとある。
松田優作のあまりの気迫に「アンディ・ガルシアが本当に殺される」と錯覚したということだが、実際はカットを割って撮影されているため、このようなことは考えにくい。
関連項目[編集]
「クラブみやこ」の外観に使用されたKPOキリンプラザ大阪(写真は閉館間際の2007年7月に撮影)
ロケ地[編集]
大阪市[編集]
中央区
大阪府庁舎
心斎橋- 先述のジョイスが心斎橋(当時あった橋の名前)の上でホームレスの男性に「これでパンでも買って」と言うシーンが撮られた場所。
(橋の歩道部分の両端に蛍光灯を長くならべ、スモークをたいて撮影した)背後には今はなきソニータワーが写っている。
キリンプラザ大阪-道頓堀- 菅井が経営する「クラブみやこ」とされる外観を撮影。
内部はアメリカで撮影。
2007年10月末をもって閉館され、解体。
跡地は商業ビルLuz Shinsaibashi(ラズ心斎橋)を新たに建設、核テナントとしてスウェーデンのアパレル会社H&Mが入居している。
北区
阪急梅田駅ターミナルビル一階コンコース - チャーリーがパスポートが入ったコートをバイクの男(佐藤の仲間)に奪われ追いかけるシーンで登場。
現在は再開発のため取り壊されている。
淀川区
十三- サカエマチ商店街という、十三ファンダンゴやがんこ寿司の発祥の地が使われた。
ニックとチャーリーが暴走族に絡まれるシーンが撮られた場所。
ネオンサインが光っているのに二人以外歩いている人間は居なかった。
福島区
大阪市中央卸売市場- ニックと松本が佐藤の愛人を尾行・張り込みを行ったシーンで登場。
城東区
京橋- 佐藤らが居た事務所(パチンコ店の上階)を強制捜索するシーン。
画面奥に大阪環状線が走っている。
パチンコ店(京一会館)に警官隊が踏み込むところまでが実際にロケが行なわれた京橋での撮影。
尚、京一会館はこの日の撮影の為、臨時休業した。事務所に突入、そして家宅捜索中のシーンはアメリカで撮影。
阿倍野区
阿倍野警察署(建て替え前の旧庁舎) - 高倉健演じる松本刑事が所属する大阪府警刑事部内や刑事部長室でのシーンが撮影された。
あべの筋- 警察車両が赤色灯を点けて走行しているシーンや歩道のおでん屋台でのニックとチャーリーの会話シーン。
道路に阪堺電車の軌道がある。
西成区・大正区・住之江区
千本松大橋、中山製鋼所付近の木津川上空
堺市[編集]
堺区
新日本製鐵堺製鐵所- 佐藤の子分が乗ったタクシーを追うシーンと、中の事務所で佐藤と菅井らの密談シーンや銃撃シーンで撮影。
神戸市[編集]
中央区
元町- 先述の尾行シーンが撮られた場所。
脚注[編集]
^ “Black Rain”.Box Office Mojo.Amazon.com.2012年4月16日閲覧。
^ 諸外国におけるロケーション・ハンティング戦略実態調査報告-日本貿易振興機構 (PDF)6ページ参照
^ 放送日は不明だが、2004年12月に発売された番組本に掲載されている。
^ その際の誤表記に基づくPOP広告の写真が、宝島社の『VOW3』(1991年、ISBN 4-7966-0138-4)のp.11に収録されている。
文献[編集]
アメリカ映画Black Rainと日本映画『黒い雨』 との比較研究論文として、Yoko Ima-Izumi(今泉容子)著 "Nuclear Bomb Films in Japan and America: TwoBlack RainFilms" 『英米文学・英米文化試論:太平洋横断アメリカン・スタディーズの視座から』 成田興史編、晃学出版、2007年、ISBN 9784903742021がある。
外部リンク[編集]
ブラック・レイン-allcinema
ブラック・レイン-KINENOTE
Black Rain-AllMovie(英語)
Black Rain-インターネット・ムービー・データベース(英語)
リドリー・スコット監督作品
1970年代
デュエリスト/決闘者(1977年)
エイリアン(1979年)
1980年代
ブレードランナー(1982年)
レジェンド/光と闇の伝説(1985年)
誰かに見られてる(1987年)
ブラック・レイン(1989年)
1990年代
テルマ&ルイーズ(1991年)
1492 コロンブス(1992年)
白い嵐(1996年)
G.I.ジェーン(1997年)
2000年代
グラディエーター(2000年)
ハンニバル(2001年)
ブラックホーク・ダウン(2001年)
マッチスティック・メン(2003年)
キングダム・オブ・ヘブン(2005年)
プロヴァンスの贈りもの(2006年)
アメリカン・ギャングスター(2007年)
ワールド・オブ・ライズ(2008年)
2010年代
ロビン・フッド(2010年)
プロメテウス(2012年)
悪の法則(2013年)
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