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4. 脳波…Electroencephalogram:EEG

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脳波による診断[編集]

画像診断学が発達したため、2012年現在脳波検査では特異度と意義度が高い脳波所見の判読が求められている。

特異度が高い脳波所見はその所見で病態診断が可能なものであり、意義度が高い脳波所見はその所見で大脳広範の障害があることを示すものである。

特異度や意義度が高い脳波所見

てんかん性放電、連続性不規則徐波、速波の局所性の振幅低下、三相波、周期性同期性放電、PLEDs、burst suppression、全般性の振幅低下、電気的大脳無活動などがあげられる。

逆に非特異的な脳波所見としては基礎律動の徐波化、間欠的不規則徐波、びまん性の速波の増高、sleep onset REMなどがある。

連続性不規則徐波はびまん性ならば全般性の大脳皮質の機能低下を示し、局在性ならば器質的な局在異常をしめすため臨床上有用である。

間欠性不規則徐波は局在性ならば、その情報の特異度は高いがびまん性ならば大脳皮質の機能低下を示唆する程度であり有効な情報とはいえない。

sleep onset REMはナルコレプシーを疑った場合は有効な情報となる。


特異度および意義度の高い脳波所見の臨床的相関[編集]

てんかん性放電

各所見に応じたてんかん発作型、あるいはてんかん症候群を示唆する。

局所性連続性不規則徐波

当該領域における器質的な障害を示唆する。

びまん性連続性不規則徐波

δ昏睡、θ昏睡、α昏睡、β昏睡、紡錘波昏睡などがこれにあたる。

臨床的に急性期の混迷あるいは昏睡状態でこの所見を得た場合は、急性の高度の脳機能障害を示唆する。

α昏睡は低酸素脳症や橋病変、β昏睡は薬物中毒との関連があり紡錘波昏睡は比較的予後良好とみなされる。

速波の局所性の振幅低下

当該部位の皮質の器質的障害を示唆する。

三相波

中等度の代謝性脳症で出現する。

特に肝不全での出現率が高い。

10歳以下では出現しない。

周期性同期性放電

クロイツフェルト・ヤコブ病や亜急性硬化性全脳炎において、短周期および長周期放電として認められることが多いが、急性期の低酸素脳症でも出現する。

PLEDs

急性の皮質および白質の破壊性病変、あるいは部分てんかん重積状態を反映する。

burst suppression

高度急性の低酸素脳症あるいは中毒性脳症を反映して、通常は予後不良のことが多い。

全般性の振幅低下

臨床的に昏睡状態の患者においては、高度のびまん性脳障害を反映して、通常は予後不良のことが多い。

電気的大脳無活動

臨床的に脳死の状態に対応する。


脳の活動と周波数変化[編集]

安静・閉眼時に出現していた後頭部優位のα波は開眼すると速やかに振幅が減衰する。

このように、感覚入力(体性感覚、聴覚、視覚など)、運動、覚醒状態の変化、認知活動などによって周波数成分が変わることが知られており、生理学や心理学研究で応用されている。

高速フーリエ変換、周波数フィルタなどの信号処理技術が必要となる。

ある周波数成分が刺激などの事象に前後して増加することを「事象関連同期(event-related synchronization : ERS)」と呼び、減少することを「事象関連脱同期(event-related desynchronization : ERD)」と呼ぶ。

また周波数変化を利用してロボットアームなどを動かす研究(brain-computer interface :BCI)の研究も進められており、義手などへの応用が期待される。


加算平均法と様々な解析[編集]

例えば正中神経刺激を行うと、約20ms後に対側一次感覚野の神経細胞が反応する。

この反応は、背景脳波に比べて電位がかなり小さいので直接波形を観察しても見分けることはできない。

これを解決するために、正中神経刺激を複数回(100回など)繰り返し、刺激に時間をそろえて加算平均(average)すると、正中神経刺激に関連した電位変化のみ観察できる。

これは背景脳波は電気刺激とは無関係にランダムに発生していると考えられるため複数回平均することで打ち消しあうことを利用したものである。

加算平均を応用した方法として、体性感覚誘発電位(SEP)、聴覚脳幹誘発電位(BAEP、ABR)、視覚誘発電位(VEP)、さまざまな事象関連電位、聴性脳幹反応などがある。


関連項目[編集]

神経細胞-生理学-神経生理学-電気生理学-医学-神経科学-脳科学-心理学-生体工学-脳磁図

事象関連電位


参考図書[編集]

石山陽事 『脳波と夢』 コロナ社、年、ISBN 4-339-07675-9。

市川忠彦 『脳波の旅への誘い 第2版』 星和書店、2006年、ISBN 9784791105991。

宮坂松衛・福沢等 『プリンシパル 臨床脳波―読み方を中心に』 日本医事新報社、1999年、ISBN 9784784920143。

大熊輝雄 『臨床脳波学』 医学書院、1999年、ISBN 4260118374。

大熊輝雄 『脳波判読step by step 入門編』 医学書院、2006年、ISBN 9784260002998。

兼本浩祐 『てんかん学ハンドブック』 医学書院、2006年、ISBN 9784260001168。


注釈[編集]

^ 国際10-20法の電極配置位置は以下のように決められる。

まず鼻根(N)と後頭極(I)を結ぶ線を10%、20%、20%、20%、20%、10%に分割し、前頭部から順にFpz,Fz,Cz,Pz,Ozとする。外耳孔または耳介前点(耳珠のすぐ前方で頬骨根部に触れる陥凹部)をA1(左)、A2(右)としN、I、Aを結ぶ線をつくる。

Aから10%だけCzに向かう点がT3とT4である。

T3,T4とFpz、Ozを結ぶ線を作り、左右にNから10%、20%、20%、20%、20%、10%と分割する。

左ならば、N側から順にFpz,Fp1,F7,T3,T5,O1,Ozとなる。

T3、T4から20%Czに向かうとC3、C4となる。

この点は中心溝直上と考えられている。

F7,Fz,F8を結ぶ線でFzとF7の中点がF3、FzとF8の中点がF4である。

T5,Pz,T6を結ぶ線でPzとT5の中点がP3、PzとT6の中点がP4である。

Fpz、Ozに探査電極は張らないので、基準電極をA1,A2に張る場合は21個の電極を張ることになる。

正中を示すzはzeroであり、奇数ならば左側、偶数ならば右側というルールになっている。各電極は以下のようにも呼ばれる。

Fpz 前頭極正中部 F3 左前頭部 O2 右後頭部

Fz 正中前頭部 F4 右前頭部 F7 左側頭前部

Cz 正中中心部 C3 左中心部 F8 右側頭前部

Pz 正中頭頂部 C4 右中心部 T3 左側頭中央部

Oz 後頭中央部 P3 左頭頂部 T4 右側頭中央部

Fp1 左前頭極部 P4 右頭頂部 T5 左側頭後部

Fp2 右前頭極部 O1 左後頭部 T6 右側頭後部

^ βとγ帯域の境界の周波数は28Hzとするものなど諸説ある。


脚注[編集]


外部リンク[編集]

ウィキメディア・コモンズには、脳波に関連するカテゴリがあります。

(百科事典)「Electroencephalogram」-スカラーペディアにある「脳波」についての項目。(英語)

国産第1号脳波計 木製号

日本での脳波研究

脳波判読のポイント (PDF)

脳波アトラス (PDF)

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NISTら、小型の原子磁気センサを使った脳波測定に成功。SQUI
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脳波に関するデバイスやアプリを自作可能にする脳波測定ヘッドバンド
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