
#ккк #界面活性剤 #波の花 #塩
天日塩に関する各国の対応[編集]
欧州連合では上記のコーデックス基準が適用されているが、フランスにおいては国内の天日塩生産者組合の活動により天日塩の塩化ナトリウム含有率を94%以上と定義する条例が2007年4月24日に成立している。
また、朝鮮半島においては、1900年代初頭から天日塩を新安郡の島々で作って来たが、現在、法的に禁止状態になっている。
韓国の生産者協会のロビー活動により、この塩を認知する新しい法律が2007年9月に成立する見通しとなっていた。
ただしコーデックス規格に示されている有害といわれる元素の基準については触れられていない。
グルコースとの共輸送[編集]
小腸の頂端膜や腎臓の上皮細胞を通るグルコースの輸送は、二次的に活性化されるナトリウム-グルコース共輸送体タンパクのSGLT-1およびSGLT-2の存在に依存する[10]。
これらはナトリウムイオンの受動輸送と同時にグルコース(糖)の能動輸送を行うことで、小腸などでの糖吸収の中心的な役割を果たしている[11]。
塩(塩化ナトリウム)を添加させることで、小腸でデンプンや砂糖が分解されたグルコースとナトリウムとの共輸送によりグルコースの速やかな体内への吸収を助ける。
栄養成分表[編集]
食塩
食品のパッケージには栄養成分表の欄に、含有塩分量の代わりにナトリウム量のみが記載されている場合がある。
これは、高血圧の要因としては食塩量よりむしろナトリウム摂取量が重要視されているためである。
塩分相当量または食塩相当量とは、このナトリウムがすべて食塩に由来すると想定した場合の、ナトリウム量に相当する食塩量である。
食品に含まれるナトリウム量が分かっているとき、塩分相当量(グラム、g)は、ナトリウム量(g)の2.54倍で求められる。
ただし、食品にはアミノ酸塩などの形でもナトリウムは含まれるため、塩分相当量は実際に食品に含まれている食塩量に比べて若干大きくなる。
塩は常温においてきわめて安定した物質であり、腐敗もしない。
そのため、賞味期限を設定することを免除されている。
塩分の過剰摂取と摂取不足[編集]
塩分がないと、地球上の多くの生物は生命を維持することができず、生命にとって欠かせないものである。
しかし、塩分の取り過ぎは高血圧や腎臓病、心臓病などの遠因となる。
そのメカニズムは完全に解明されてはいないが、一般には血中のイオン濃度を一定範囲に保つため水分を取るようになり、血液を含む体液の量が増え血圧が高まるとともに、これを体外に排出するのを司る腎臓に負担がかかるためとされている[12][13]。
2005年(平成17年)版の「日本人の食事摂取基準」では、1日の塩分摂取量を男性成人で10g以下、女性成人で8g以下を推奨し、同時に高血圧を予防するために、過剰なナトリウムを排出する作用のあるカリウムの摂取基準も定めている。
カリウムは野菜や果物に多く含まれる。
日本の食生活指針と健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)では1日10g以下を目標としている[14]。
2003年、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)による「食事、栄養と生活習慣病の予防[15]」(Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases) では、1日5g以下(ナトリウム2g以下)とされ、中国の広東式の塩蔵の魚は鼻咽頭癌のリスクを上げる、塩や塩蔵の食品は胃癌のリスクが上がることが起こりうるとしている。
また動物実験では、N-メチル-N-ニトロソウレアと食塩とヘリコバクター・ピロリを同時に投与すると有意に胃癌が増えることが示されている。
[16]厚生労働省による研究では、塩分濃度の高い食事を日常的に摂取する人たちは、そうでない人たちに比べて胃癌となるリスクが高いことが統計的に示されている[17]。
2007年11月1日の世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究から分析したがん予防の報告書[18]では、中国の広東式の塩蔵の魚は鼻咽頭癌のリスクを上げると報告している。
しかし、現在では、塩分の過剰摂取を恐れるあまり塩分を控えることが常識となってしまったため、極端な塩分の制限により塩分の不足が起こり、昏睡状態となって病院に運ばれる者や死亡する者も出ている。
命を取り留めても、慢性的に塩分が不足していた場合、血中のイオン濃度を低いレベルで一定範囲に保とうとするように体が変化してしまっているため、一般的な塩分の補給量ではすぐに塩分が排出されてしまうので、長期間にわたって塩分を大量摂取する治療を行わなければならなくなる。
また、上記ほどの塩分の不足でなくても、炎天下の運動の際等、汗をかいた際には水分だけでなく塩分も排出されるが、それにも拘らず水分だけを補給すると血中のイオン濃度が低くなる。
体は血中のイオン濃度を一定範囲に保とうとさらに汗をかいたり排尿しようとしたりするため、さらに水分不足となり熱中症や痙攣を引き起こす場合もある。
そのため、高温環境下で作業を行う鋳物工場などでは、作業員の塩分補給用に食塩が置かれている。
また、現在いわゆる食塩として販売されているもののほとんどが、イオン交換膜製塩法によって生成された塩化ナトリウム99%以上のものであることも問題視されている。
食塩の相当量は以下のような計算で求められる。[19]
食塩相当量(g)=ナトリウム(g)×58. 5/23=ナトリウム(g)×2. 54 岩塩や、海水を蒸発させて精製される食塩は、マグネシウム、カリウム、カルシウムを含んでいる。
しかし現代の食塩はイオン交換法で精製されるものがほとんどであり、ナトリウム以外のミネラルが非常に少ない。
そのため現代の食塩ではナトリウムのみに偏って過剰摂取することになってしまう。
またカリウムにはナトリウムを体外に排出する効果があるので、それを含まない塩はなおさらナトリウムの過剰が問題になる。
上記の塩分の過剰摂取の問題も、実際には塩というよりもナトリウムの過剰摂取の問題と言ったほうがよい。
そのため岩塩や海水を蒸発させて精製した食塩を、天然塩と称して、健康志向の観点から一定のニーズがある。
なお、近年は塩化カリウムを添加し塩化ナトリウムを50%程度まで減らした低ナトリウム塩も登場している。
ただし、カリウムの過剰摂取もまた疾病の原因ともなり得る、あるいはカリウムの摂取制限が必要な疾病も存在するため、万人にとって健康に良いものではない。
またカリウムは数多くの食品に含まれているミネラルであるため、普通はカリウム摂取不足は生じないとされる。
塩が関係する言葉・故事・慣例など[編集]
五十音順で表記。
日本[編集]
日本手話の塩:塩で歯を磨く動作から。
御塩
伊勢神宮での神事に用いられる塩は、塩田で作られた後、御塩殿神社にあるかまどで焼き堅められる。
清めの塩
日本神道で塩は、穢れを祓い清める力を持つとみなす。
そのため祭壇に塩を供えたり、神道行事で使う風習がある。
また、日本においては死を穢れの一種とみなす土着信仰がある(神道に根源があるという[20][出典無効])。
そのため葬儀後、塩を使って身を清める風習がある。
これは仏教式の葬儀でも広く行われるが、仏教での死は穢れではないとして葬儀後の清めの塩を使わない仏教宗派もある。
沖縄県の宮古島では神道や仏教ではないが、土地の習慣で海でお祓いをする儀式の時に塩を用い、また、清めの意味で玄関などに袋入りの塩を置く。
さらに、相撲においては、取組み前に塩を使って土俵を清める。
これは、神道思想に基づくものであるが、同時に塩による殺菌効果がある[21]。
また、家に来た嫌な客が帰った後に、清めるのはもちろん二度と家に来ないようにと玄関に塩をまくこともある。
塩をまいたり、後述の盛り塩をしたりするのは悪霊ばらいの意味もある。
古来より灰も殺菌・洗浄効果のある身近な化学物質として用いられ、清め塩同様に穢れを祓い清めることに用いられることがあった。
敵に塩を送る
内陸国である甲斐の武田信玄と日本海に面した越後の上杉謙信は当時交戦中であった。
その最中、当時甲斐に塩を供給していた駿河の今川氏は武田氏と反目し始め、甲斐への塩の輸出を絶ってしまう。
それを知った謙信は、永禄11年1月11日(1568年2月8日)に、越後の塩を送ったとされている(ただし、これはただ単に武田との物資のやり取りの禁止をしなかっただけとも言われている)。
敵対国であるにも拘らず、塩を送った謙信の行為は高く評価され後世に伝わる。
ここから「敵に塩を送る」(敵対する相手に援助を差し伸べること)という言葉が生まれた。
長野県松本市中央の本町にはその時塩を積んだ牛をつないだという「牛つなぎ石」が残っている。
手塩に掛ける
自分自身の手で大切に育て上げること。
近年では加工食品などを丁寧に作る時などにも用いる。
類似する言葉として「腕に縒りを掛ける」「丹精を込める」「手間隙掛ける」などがある。
手塩とは、食膳に清めとしてや好みの塩加減にするために盛られた塩のことで、その塩で味の調整をすることを手塩に掛けると言ったのが語源である。
日本手話の塩
日本人は、かつて塩で歯を磨いていたことに由来する。
盛り塩
日本国内で飲食店など第三次産業の店舗入り口に塩を盛り付けておく慣習で、客を集める縁起担ぎであり、又、厄除け、魔除けの意味も持つ。
確証は無いが、由来は一般には西晋の武帝(司馬炎)の故事にあるともいわれる。
司馬炎は毎晩羊に引かせた車に乗って後宮を巡り、羊が立ち止まった部屋の女性と一夜をともにすることにしていた。
あるとき数日続けて同じ部屋の前で羊が足を止めることがあった。その部屋に住んでいる女性が通路に盛り塩を置いておき、羊は塩を舐めるためにそこに立ち止まったという。
日本以外[編集]
語源
古代ローマにおいて、兵士への給料として塩(ラテン語sal)が支給された。
英語の salary (サラリー:「給与」)はここに由来している。
食品に関する語彙には当然ながら「塩」に由来するものが多い。
ラテン系由来の語彙に限っても、「サラダ(salad)」「ソース(sauce)」「サルサ(salsa)」「ソーセージ(sausage)」「サラミ(salami)」などは明らかである。
英語の salt (ソルト:塩)はラテン語に由来するわけではないが、より古いインド・ヨーロッパ語の基層において同じ語源につながる語であり、この事実自体、先史時代以来、塩がいかに身近で重要なものだったかを示していると言える。
日本でも金が出回る以前には塩壺を数個で城・屋敷を購入することが出来た時代もある。
これらを踏まえ、日本の「敵に塩を送る」という行為が「お金を送る=援助する」という意味を持つということに関連していると思われる。
塩の柱
創世記第19章において、悪徳都市ソドムとゴモラが滅ぼされる際、神の使いが脱出するロトの家族に振り返るなと告げたが、ロトの妻は振り返ってしまい(見るなのタブー)、「塩の柱」となってしまったという記述がある。
地の塩
マタイによる福音書には「地の塩、世の光」を規範として述べている部分がある。
ほか、マルコによる福音書、ルカによる福音書に記述がある。
塩は腐敗を防ぐことから、道徳や行いの優れた、社会の規範となるべき人々を示す比喩。
独立の塩
1930年にマハトマ・ガンディー並びに彼の支持者が、イギリス植民地インド政府による塩の専売に反対し、製塩を行うための抗議行動のために塩の行進を行う。
インド独立運動におけるガンディーの非暴力不服従の象徴とされる。
料理における塩[編集]
振り塩
化粧塩
立て塩
その他[編集]
女房言葉では「波の花」とも呼ぶ。“死を”を連想させる忌み言葉のため。
塩を保管する際には吸湿などを防ぐためにソルトシェーカー(塩入れ)などの容器で保管される。
出典[編集]
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^ 『15509の化学商品』 化学工業日報社、2009年2月。ISBN 978-4-87326-544-5。
^ 塩の情報室
^ 1854年(安政元年)のかわら版。
^ 2007年度で1500種以上とされる。社団法人 日本塩工業会のデータによる。
^ 「家庭用塩の製造販売業者9社に対する警告等について」(公正取引委員会)
^ 東京都から塩の表示の指針(東京都)
^ 食用塩公正競争規約業界原案が公開されました。
^ 「食用塩の表示に関する公正競争規約(案)」の新規設定に関する公聴会の開催について(pdfファイル)(公正取引委員会)
^ 日本ソーダ工業会・ソーダ工業の解説
^ Hediger M, Rhoads D (1994). “Molecular physiology of sodium-glucose cotransporters”.Physiol. Rev. 74(4): 993 1026.PMID 7938229.
^ シンポート
^ 塩分が悪いわけ 高血圧の原因(第一三共)
^ 腎臓病の食事療法:塩分を控えて、おいしく!(万有製薬)
^ 高血圧を防ぐ食事(厚生労働省)
^ Report of a Joint WHO/FAO Expert ConsultationDiet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases, 2003
^ K. Nozaki, et al. Synergistic Promoting Effects of Helicobacter pylori Infection and High-salt Diet on Gastric Carcinogenesis in Mongolian Gerbils. Jpn. J. Cancer Res. 93, 1083 1089, 2002.http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1349-7006.2002.tb01209.x/pdf
^ 食塩・塩蔵食品摂取と胃がんとの関連について -- 概要 --(厚生労働省研究班)
^ World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer ResearchFood, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective, The second expert report, 2007
^ 厚生労働省2009年5月25日の審議資料参照
^ 神社と神道 - 時事問題 - 清め塩
^ 財団法人日本相撲協会 - 大相撲情報局 - 相撲用語解説
関連項目[編集]
化学、成分
塩化ナトリウム(Category:塩化ナトリウム)
岩塩
塩水
鹹水/海水/汽水
食塩水
塩分濃度
自然科学、地理
熱塩循環
塩湖(Category:塩湖) /塩沼/塩類平原/塩化物泉/岩塩氷河
塩場(しおば) :塩分濃度のとくに高い天然の水場や岩場。
ミネラル補給のために植物食動物が立ち寄り、それを狙って肉食動物が立ち寄る。
塩生植物
マングローブ
アイスプラント
好塩菌
人間関連
塩害
自然塩
塩業(Category:塩業) - 塩田/塩座/塩問屋/塩の道 (日本)
食 - 食卓塩/塩味/塩漬け/塩焼き/塩釜/にがり/さしすせそ(調味料についての日本の語呂合わせ)
保存 - 塩漬け
医療 - 食塩中毒/高ナトリウム血症
風習 - 盛り塩
加害 - 塩責め
外部リンク[編集]
サイト[編集]
塩事業センター
食用塩公正取引協議会
たばこと塩の博物館
ソルトサイエンス研究財団
塩の情報室
「市販食用塩品質調査結果PartI」財団法人塩事業センター
「市販食用塩品質調査結果PartII」財団法人塩事業センター
ビデオ[編集]
「塩ができるまで」- 塩ができるまでの工程の流れを説明した動画。取材先は伯方の塩で知られる伯方塩業。愛媛県今治市大三島町にある大三島工場(全14分) 2003年サイエンスチャンネル
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